茶業研究報告
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固相マイクロ抽出法を用いた抹茶に含まれる低沸点成分の分析
水上 裕造
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2019 年 2019 巻 128 号 p. 23-29

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抄録

抹茶の香りを解明する過程において,diethyl etherで抽出した香気エキスを濃縮すると,抹茶とは異なる香りとなった。従って,抹茶の香りには低沸点成分が重要であることが考えられた。そこで本研究では抹茶の低沸点成分をGC-OとGC-MSを用いて特定することにした。その結果,抹茶の重要な低沸点成分として,methanethiol,dimethyl sulfide,2-methyl propanal,3-methyl butanal,2-methyl butanalの5成分を特定した。

次に安定同位体希釈分析法によりmethanethiolを除く4成分を定量した (飲用抹茶34点,食品加工用抹茶12点)。抹茶に含まれるdimethyl sulfideは2.92 mgkg-1から17.5 mgkg-1であった。また2-methyl propanalは0.06 mgkg-1から11.1 mgkg-1,3-methyl butanalは0.44 mgkg-1から5.26 mgkg-1,2-methyl butanalは0.97 mgkg-1から7.08 mgkg-1であった。これら低沸点成分は製造時における加熱の影響を強く受けることが考えられた。

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© 2019 日本茶業学会
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