抄録
茶園造成から5年目までの幼木茶園における省力管理作業の体系について,1966~'70年まで5年間にわたって検討した。その結果を要約すると次のとおりである。
1. 茶園造成では定植溝掘りに最も労力を要した。これがトラクタによる機械掘りによって人力の場合の13.1%となり,大幅に省力化でぎた。
2. 株元雑草の幼茶樹におよぼす影響は,30日以上の草生により輻彫響が認められるので,30日以内に除苴する必要がある。一方,うね間の機械除草は雑草の草丈15cm以内で実施することにより除草効果が得られ省力化がはかられた。
3. 病害虫防除の省力方法としてスワーススプレーヤと動力噴霧機について作業比較した結果,スワーススプレーヤの機械作業時間は10a当たり27.5分で動力噴霧機の41.8%,組作業の全投下労働時問は32.2%となり大幅に省力化された。
4. 収量調査の結果は10a当たり3年目108.6kg,4年目395.5kg,5年目732kgであったが,多収を得る方法としては栽植密度の増加が必要と思われた。
5. 5年間にわたる累積調査の結果から幼木茶園省力管理作業技術を総合的に組み合わせると,1ha当たりの年間所要労働時間は定植当年989.7時間,2年目621.6時間,3年目723.1時間,4年目699.8時間,5年478.2時間まで省力化できる体系が基盤整備と機械装備を前提として可能であると判断された。
6. この管理技術体系をさらにより生産性の高いものにするために必要な残されたおもな技術的問題点は次の2点であった。
イ 機械化専用茶園の生理特性の解明と栽培技術の確立。
ロ 種苗費および定植費用の経営費用中に占める比重が高いので,育苗法の簡易化ならびに植いたみ防技術の確立など定植技術についての再検討。