茶業研究報告
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煎茶の浸出条件と可溶成分との関係
池田 重美中川 致之岩浅 潔
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1972 年 1972 巻 37 号 p. 69-78

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抄録
煎茶の味と成分組成の関係,あるいは,うまい茶の飲み方の基礎資料として茶69に対して180mlの湯量で40,60,80,95℃の温度と,2,4,6,8,10分の時間を組み合わせた条件で浸出した場合,茶成分がどのように溶出するかを調べた。次に茶の粒度を変えた場合の窒素,タンニン溶出度についても同様の実験を試みた。
実験結果から
1 温度60℃と80℃の間に成分溶出害胎に特に差のあることが判明した。
2 窒素,カフェイン,タンニンは上級茶,並級茶ともに共通した傾向が認められたが,高温におけるエピガロカテキンガレート,およびカテキン合計値の溶出割合は上級茶が高かった。
3 各種の成分中,全アミノ酸は上級茶,並級茶ともに溶出割合は高かった。
4 粒度については窒素,タンニンともに細かいほど容易に溶出したが,タンニンは細かい粒度を除いて高温では大差がなかった。
5 窒素に対するタンニンの比率は全体的には並級茶のほうが大きかったが,両者とも浸出温度の上昇とともに増加し上級茶は60℃と80℃の間に,特に差が認められた。
以上の結果から高級茶は低温でゆっくり,下級茶は高温で短時間に茶を入れるのが適当と思われた。
なお,本研究は著者の1人池田が,農林省茶業試験場に国内留学中に行なったものであり,実施にあたって種々の御指導,御協力をいただいた同場,久保田技官およびその他の方々に深く感謝します。
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© 日本茶業技術協会
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