抄録
黒ボク茶園土壌で21年間継続した四要素試験ほ場から対照区,窒素多量区,石灰多量区の土壌試料を採取,好気または嫌気条件下で30℃に7日間保ち,N2,N2O,NOの発生状況を追跡し,次の結果を得た。
1) 好気条件での窒素の揮散は少なく,その速度は0,02~0。5mgN/1009・dであった。
2) 嫌気条件での脱窒速度は2~4mgN/1009・dで,同じ方法で測定した他の水田および畑土壌のデータと比較すると,かなり高かった。
3) 処理区間で比較すると,嫌気条件下での脱窒速度は窒素多量区>対照区>石灰多量区の順で,土壌のpHが高いほうが脱窒速度が高くはならなかった。
4) 初期の生成含窒素ガスの大部分はN2OとNOであった。そして土壌のNO3-Nが多いほどN2O,NOのN2への還元がおくれた。また,石灰多量区の土壌ではNOが微量しか生じなかった。
以上の結果から,少なくとも通気が阻害されたとぎには,強酸性の茶園土壌でも脱窒の可能性は充分あると考える。