茶業研究報告
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蒸葉の電気インピーダンス解析
水上 裕造深山 大介澤井 祐典山口 優一
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2005 年 2005 巻 100 号 p. 21-28

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抄録

蒸葉の電気インピーダンスを解析し,知見が得られた。蒸葉の細胞内抵抗は生葉に比べると約90%程度減少した。これは細胞内の水が動きやすい水となったことが主要因であり,これらの挙動は蒸熱初期に起こると考えられた。一方で,蒸熱により細胞壁を構成する不溶性ペクチンが水溶性となることで,陽イオンが細胞壁に蓄積され,一時的に静電容量は増加し,それと同時に細胞外へ陽イオンの溶出も起り,細胞外抵抗は減少したと考えられた。また,蒸熱時間を長くすると細胞組織の劣化や収縮により静電容量と細胞外抵抗は減少することが理解できた。
電気インピーダンスは,細胞内外の抵抗や細胞膜・壁の状態を調べる上で有効な方法であり,新たな蒸熱程度の判定法として利用可能である。

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