茶業研究報告
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煎茶園における点滴施肥による効率的施肥
堺田 輝貴森山 弘信中村 晋一郎吉岡 哲也
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2005 年 2005 巻 100 号 p. 92-95

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抄録

煎茶園において,点滴施肥法(窒素50kg/10a)が,収量,品質及び土壌浸透水に及ぼす影響について検討した。
1)窒素50kg/10aを点滴施肥した場合,同程度の窒素を施用した慣行施肥法と比較して,一,二番茶ともに20%以上増収した。
2)点滴施肥により,20%程度の増収条件下では官能評価や化学成分含有率等において,慣行施肥法より優れる傾向を示した。
3)ライシメータでの地下浸透水中の硝酸態窒素濃度は点滴施肥を行うことで,慣行施肥法に対し早期に低下する傾向が認められた。また,点滴施肥区の試験開始3年次の窒素溶脱量は,黒ボク土で1.9kg/10a,赤黄色土で3.6kg/10aと,各土壌でそれぞれ慣行施肥法の40~36%となり,大幅に環境負荷が低減された。

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