茶業研究報告
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茶園における年1回施肥と生分解性マルチを利用した窒素溶脱防止
志和 将一
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2005 年 2005 巻 100 号 p. 99-102

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抄録

年1回施肥とし,うね間を周年マルチングすることで,茶園からの硝酸性窒素の溶脱を抑制し,施肥回数とともに年間窒素施用量を40kg/10aまで削減できる技術を開発した。
本技術は,70日タイプと180日タイプの2種の被覆肥料を主体とした配合肥料40kgN/10aを春肥時期に一括施用し,その後直ちに生分解性マルチでうね間を周年マルチングする。
このマルチングによって,降雨による硝酸性窒素の溶脱が抑制され,長期にわたって施肥窒素がうね間土壌に維持された。年間窒素施用量が70kg/10aで年5回施肥の農家慣行施肥と収量,品質を比較検討したところ,一・二番茶とも収量,品質は同等であった。また,施肥に関する労働時間は,マルチングに要する時間を含めても年1回施肥が農家慣行施肥の半分以下となった。

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