2007 年 2007 巻 104 号 p. 15-23
チャの遺伝的差異を明らかにするため、21の日本品種、22個体および7個体の中国およびベトナムで採集されたチャ、6つの中国品種について、葉緑体rbcL-accl)領域の塩基配列を決定した。この領域はよく保存されていた。日本品種および5つの中国品種は、一塩基多型に基づき2つのタイプに分類された。両タイプども日本固有ではなく、アジア大陸に起源し日本に導入されたと考えられた。中国南部で収集されたチャでは、近縁種のタリエンシスおよびイラワジエンシスに特異的な3つのIn/Del(insertion/deletion)のうち1つまたは2つを有するものが複数見出された。葉緑体の塩基配列の多様性を用いることにより、市販茶の原葉として使用された品種の遺伝的背景を判別することができる。