CHEMOTHERAPY
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泌尿器科領域におけるImipenem/Cilastatin sodium (MK-0787/MK-0791) の臨床的検討
富永 登志北原 研岸 洋一新島 端夫仁藤 博藤田 公生斉藤 功中内 浩二西村 洋司
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1985 年 33 巻 Supplement4 号 p. 751-763

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抄録

泌尿器科領域の尿路感染症45例に対し, imipenem/cilastatin sodium (MK-0787/MK-0791) を投与し, その臨床効果および副作用について検討を行った。投与方法はMK.0787量として1回0.25~0.5gを1日2回点滴静注し, 投与期間は原則として5日間とした。
総合臨床効果は, 急性単純性腎盂腎炎6例で100%, 複雑性尿路感染症39例では, 効果不明の1例を除く38例で76.3%の有効率であった。UTI薬効評価基準に合致した複雑性尿路感染症31例の有効率は74%であり, 病態群別の有効率をみると, 単独感染症89%, 混合感染症54%であり, 混合感染症でやや成績が悪かった。
細菌学的効果では, 49株中42株 (86%) が除菌されたが, P. aeruginosaの除菌率が50%であった。投与後出現菌としては真菌類6株を含む11株が認められた。
自他覚的副作用として薬疹を1例に認め, 臨床検査値異常が3例にみられた。
本剤は尿路感染症に対して有効であり, かつ有用である薬剤と思われた。

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