CHEMOTHERAPY
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Rokitamycinのin vitroChlamydia活性と実験的マウスChlamydia psittaci肺炎における治療効果の検討
二木 芳人木村 雅司窪田 好史副島 林造
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1994 年 42 巻 12 号 p. 1342-1346

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抄録

経口16員環系マクロライド薬rokitamycin (RKM) の呼吸甜系各種Chlamydia感染症に対する有用性を評価する目的で, 各種Chlamydia標準株に対するMICを測定し, あわせてマウスChlamydia psittaci肺炎モデルを用いた感染治療実験を行い他剤と比較した。その結果, RKMのMICは0.063~0.125μg/mlと, erythromycin, roxithromycinに勝る優れたものであったが, 治療実験成績では他剤に劣る結果であった。さらに, RKM投与時のマウス血漿中濃度を検討した結果, RKMは同血漿中では速やかに抗菌活性の低い代謝物に代謝されることが明らかとなり, MIC値と治療効果における差はこれにもとつくものと結論された。ヒトにおけるRKMの血漿中代謝は異なるものであり, ヒトでの臨床的有用性は期待しうるものであると考えられた。

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