1995 年 43 巻 4 号 p. 416-420
ラットを用いgentamicin (GM) 誘発性腎毒性に対するtazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) の軽減作用をPIPCと比較した。ラット筋肉内にGM70mg/kgを10日間連続投与して腎毒性を誘発した。TAZ/PIPCは1,000mg/kgを, PIPCはTAZ/PIPC (1:4) の配合比から800mg/kgを静脈内に10日間併用投与した。GM単独群で尿中NAG, 尿中蛋白量, 尿中β2-Mの増加, BUNと血中クレアチニンの増加, 腎重量と腎重量体重比の増加, 腎の退色化, 組織学的に腎皮質尿細管上皮の壊死, 脱落, 再生, 皮質尿細管腔の拡張と硝子様円柱, 皮質間質の炎症性細胞浸潤がみられた。このような腎毒性は, TAZ/PIPC併用で明らかに軽減し, その作用はPIPCとほぼ同程度であった。