日本化学療法学会雑誌
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Pazufloxacinの基礎的・臨床的研究
徳村 保昌斧 康雄杉山 肇青木 ますみ大谷津 功西谷 肇国井 乙彦
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キーワード: PZFX, 抗菌力, 臨床効果, 副作用
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1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 233-235

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抄録

新しい経口用ニューキノロン薬pazufloxacin (PZFX) の臨床分離株に対する抗菌力をnorfloxacin (NFLX), ofioxacin (OFLX) およびciprofioxacin (CPFX) と比較し, さらに内科領域感染症に対する臨床的有用性について検討した。抗菌力の検討では, 臨床分離株のmethicillin-resistantStaphylococcus aureus8株に対する本剤のMIC50は≦0.1μg/ml, MIC90は≧100μg/mlであり, 対照薬剤と同等であった。Escherichia coli9株に対するMIC90は3.13μg/mlでNFLXより優れていた。Klebsiella pneumoniae 13株に対するMIC90は0.78μg/mlで他剤よりも優れていた。Pseudomonasaemginosa17株に対してはNFLX, OFLXよりもやや優れた抗菌力を示した。
臨床的には, 急性扁桃炎2例, 急性咽喉頭炎1例, 肺炎1例の計4例に本剤100mgを1日2~3回, 5日間経口投与した。臨床効果は4例すべてが有効であった。細菌学的に効果を判定し得たのは扁桃炎の2例でともにHaemophilus influenzaeが検出され本剤投与によりともに除菌された。副作用は1例に投与終了時に軽度の胃部不快が認められた。臨床検査値の異常変動は初診後来院しなかった1例を除いて認められなかった。

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