日本化学療法学会雑誌
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Pazufloxacinの体内動態および臨床成績
青木 信樹薄田 芳丸甲田 豊高沢 哲也若林 伸人林 静一小浦方 洋一新田 功本間 康夫北村 亘子
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キーワード: PZFX, 体内動態, 呼吸器感染症
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1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 256-265

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抄録

腎機能障害者を含む高齢の患者4例にpazufloxacin (PZFX) 200mgを朝食後30分に経口投与した際のPZFXの血中濃度と尿中回収率を測定した。腎機能障害の程度 (Ccr: 81.6, 63.9, 16.8および7.0ml/min) が高度になるに従い血中濃度半減期T1/2はそれぞれ4.21, 8.13, 7.05および10.81時間と延長し, 血中濃度曲線下面積 (AUC0~∞) もそれぞれ12.42, 33.51, 61.42および53.03μg・h/mlと増大した。24時間までの尿中回収率はそれぞれ65.1, 73.2, 71および12.1%であり, 特に高度な障害例で明らかな低下を認めた。呼吸器感染症36例, 尿路感染症1例に使用し有効34例, 無効3例, 有効率91.9%の結果を得た。副作用は臨床的には特にみられず, 検査成績上GPTの上昇, 好酸球の上昇および網状赤血球の上昇を各々1例認めたのみであった。

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