日本化学療法学会雑誌
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新合成抗菌薬pazufloxacinのin vitroおよびin vivo抗菌力
西野 武志池田 靖大槻 雅子林 広成今西 律子
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キーワード: 合成抗菌薬, PZFX, 抗菌力
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1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 54-65

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抄録

新合成抗菌薬Pazufloxacin (PZFX) のin vitroおよびin vivoにおける抗菌力を既存の合成抗菌薬のofloxacin (OFLX), ciprfloxacin (CPFX), tosufloxacin (TFLX) およびsparfloxacin (SPFX) と比較検討した。その結果, PZFXはin vitroにおいてグラム陰性菌およびグラム陽性菌の各菌株に対して幅広い抗菌スペクトルを有し, その程度はOFLXより2~4倍強く, CPFXと同等かやや強い抗菌力を示した.また, PZFXの抗菌力は接種菌量, 培地pHの影響を受けず, また, 殺菌作用も対照薬と同様に用量依存的であった。
実験的マウス全身感染症において, PZFXは methicillin感受性Staphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniae, Streptococcus pyogenesに対してTFLXおよびSPFXに比べて劣るもの, OFLXおよびCPFXに比べて優れた治療効果を示した, また, methicillin耐性 S.aureusEscherichia coli Klebsiella pneumoniae, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaなどのグラム陰性菌に対しては比較薬剤中最も優れた治療効果を示した。
各薬剤の10mg/kgをマウスに経口投与したときの血中濃度を検討した.その結果, PZFXの最高血中濃度 (Cmax) は276μg/mlと比較薬剤中最も高かったが, 血中半減期 (T12) は 29.8minと最も短かった。

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