日本化学療法学会雑誌
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Cefluprenam の高齢者における体内動態および呼吸器感染症に対する基礎的・臨床的検討
青木 信樹薄田 芳丸若林 信人林 静一渡辺 京子本間 康夫
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キーワード: 体内動態, 呼吸器感染症
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1995 年 43 巻 Supplement4 号 p. 52-60

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抄録

70歳以上の高齢者12例にcefluprenam (CFLP) 1.0gを1時間かけて点滴静注した際の血中濃度と尿中回収率を測定した。最高血中濃度はいずれも点滴終了直後に得られ, 若年者とくらべてその値に大きな差はみられなかった。血中消失半減期は腎機能の低下に伴い延長し, 24時間までの尿中排泄率は低下した。慢性気道感染症患者2例に本剤1.0gないし2.0gを1時間かけて点滴静注した際の血中および喀痰中濃度を測定した・最高血中濃度は1.0g, 2.0g投与例でそれぞれ112, 99.3μg/ml, 喀痰中最高濃度はそれぞれ8.92, 9.44μg/mlであった。呼吸器感染症33例に本剤を使用し, 著効1例, 有効24例, 無効7例, 判定不能1例の結果を得た。副作用としては1例で発熱を伴う発疹がみられた。検査成績上AI-pの上昇, 直接クームス試験の陽性化, GOT・GPT・Al-p・γ-GTP・LAPの上昇を各々1例で認めたが, いずれも軽度であった。

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