日本化学療法学会雑誌
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呼吸器感染症におけるazithromycinの基礎的・臨床的検討
松本 行雄杉本 勇二山崎 整児阪田 拓哉櫃田 豊佐々木 孝夫
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キーワード: 呼吸器感染症
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1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 245-249

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抄録

新しい経口アザライド系抗菌薬azithromycinの呼吸器感染症起炎菌に対する抗菌力と, 呼吸器感染症に対する臨床効果ならびに安全性について検討し, 下記の結果を得た。
呼吸器感染症の臨床分離株に対する本剤のMICは, Staphylococcus aureusでは0.39~>100μg/ml (MIC90>100μg/ml), Streptococcus pneumoniaeでは0.05~25μg/ml (MIC90 25μg/ml), Moraxella catarrhalisでは≦0.025~0.1μg/ml (MIC90 0.1μg/ml), Haemophilus influenzaeでは0.39~3.13μg/ml (MIC90 1.56μg/ml) に分布していた。
呼吸器感染症8例 (急性気管支炎1例, 細菌性肺炎1例, 慢性気管支炎1例, びまん性汎細気管支炎2例, 気管支拡張症に伴う感染症2例, 肺気腫に伴う感染症1例) における本剤の臨床効果は著効1例, 有効7例で全例有効以上であった。起炎菌が判明した症例は4例でS. aureusS. pneumoniaeの混合感染が1例, S. pneumoniae 1例, E. coli 1例, H. influenzae 1例であったが, 本剤により全て除菌できた。

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