日本化学療法学会雑誌
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呼吸器感染症に対するazithromycinの基礎的・臨床的検討
高本 正祇原田 進原田 泰子石橋 凡雄
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キーワード: 体内動態, 臨床的検討
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1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 250-256

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抄録

呼吸器感染症患者21例 (急性気管支炎1例, 肺炎5例, 慢性気管支炎5例・気管支拡張症+感染3例, 陳旧性肺結核+感染3例, 肺気腫+感染2例, 気管支喘息+感染1例・肺気腫+肺結核+感染1例) にazithromycin 250mgまたは500mgを1日1回, 3日間食後経口投与し, 臨床効果, 安全性について検討した。判定不能の1例を除いた20例の臨床効果は, 著効8例, 有効7例, やや有効2例, 無効3例で有効率は75.0%(15/20) であった。細菌学的効果の検討ではStreptococcuspneumoniae 1株, Haemophilus influenzae 1株の計2株が分離され, いずれも消失した。副作用は1例に下痢が出現し, 臨床検査値の異常変動は4例に好酸球の増多が, 1例にALPの上昇が認められた。本剤は軽症, 中等症の呼吸器感染症に有用であると思われた。
また, 上記の入院患者の中の10例 (平均年齢73.4歳) にazithromycin 250mgまたは500mgを1日1回, 3日間投与した時の血中濃度の測定を行った。個々の症例において経時的な血中濃度の測定は実施できなかったが, 得られた血中濃度の推移は本剤の第I相反復投与試験の血中濃度推移と大差はなかった。

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