日本化学療法学会雑誌
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マクロライド系抗生物質azithromycinのin vitro抗菌力ならびに呼吸器感染症に対する臨床評価
後藤 陽一郎橋本 敦郎一宮 朋来平松 和史永井 寛之那須 勝山崎 透立川 良昭中野 忠男菅原 弘一伊東 盛夫北川 和生井上 総一後藤 純
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1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 272-277

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抄録

新しく開発されたマクロライド系抗生物質azithromycinについてin vitro抗菌力を測定し, 呼吸器感染症に対する臨床的検討を行ない以下の結果を得た。
1.抗菌力: 臨床材料から分離した18菌種756株 (グラム陽性球菌175株, Moraxella catarrhalis 50株, 腸内細菌科325株, ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌129株, Haemophilus influenzae51株, Bacteroides fragilis26株) について, 日本化学療法学会規定の方法により最小発育阻止濃度を測定し, erythromycin, rokitamycin, clarithromycinの抗菌力と比較した。本剤は, 全般にはグラム陽性菌に対して既存のマクロライド系抗生物質よりも同等かやや弱い抗菌力を示したが, グラム陰性菌, 特にH.influenzae, Acinetobacter calcoaceticusには耐性株はなく強い抗菌力を示した。
2.臨床成績: 呼吸器感染症7例を対象に1日1回, 1回量250mgないし500mgを3日間投与した。臨床効果は全症例有効と判定された。本剤投与による自・他覚的副作用および臨床検査値の異常変動は認められなかった。

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