日本化学療法学会雑誌
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Ofloxacinの抜歯創移行性について
抜歯後の感染予防の検討
大塚 芳基美田 佳壽彦吉川 朋宏千田 由紀子古土井 春吾藍 恵子吉岡 歩桑本 聖子山崎 隆廣麻柄 真也竹野々 巌市来 浩司吉位 尚中尾 薫島田 桂吉
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1996 年 44 巻 8 号 p. 659-663

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抄録

オフロキサシン (OFLX) の抜歯後の予防投与における有用性を検討するため抜歯創貯留液中の濃度を測定した。抜歯予定患者53例 (59検体) にOFLX 100mg (2例200mg) をあらかじめ術前に服用し, 抜歯直後に抜歯創貯留液を8mm thickのpaper discに直接採取し, bioassay法によりOFLX濃度を測定した。抜歯創貯留液中濃度は薬剤投与後30分~8時間でND~15.55μg/mlに分布していた。また, 121分~210分でStreptococcus sp.に対するMIC50を上回るものは85.7%, MIC90を上回るものは50.0%であった。以上より抜歯後の感染予防としてOFLXを投与する場合, 2~3.5時間前に投与する必要があると考えられた。

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