日本化学療法学会雑誌
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NM441およびその活性本体のGABA受容体結合に及ぼす影響
堀 誠治嶋田 甚五郎
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1996 年 44 巻 Supplement1 号 p. 97-101

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抄録

キノロン薬が潜在的に痙攣誘発作用を有する可能性のあることはよく知られている。そこで, 我々は新しいプロドラッグ型のキノロン薬であるNM441の活性本体NM394およびその代謝産物のGABA受容体結合に及ぼす影響を検討した。NM394およびNM441は濃度依存的にGABA受容体結合を阻害した。NM394のGABA受容体阻害作用は非ステロイド系消炎薬の共存により増強された。一方, NM394のオキソ体, エチレンジアミノ体は, 単独では本体であるNM394とほぼ同等の阻害作用を有していたが, biphenylacetic acidの共存ではその阻害効果は増強されにくかった。以上の成績より, NM394はGABA受容体結合を阻害することにより痙攣を誘発する可能性のあることが示唆され, また非ステロイド系消炎薬併用時にはその痙攣誘発作用が増強される可能性が示唆された。

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