1997 年 45 巻 11 号 p. 951-954
慢性気管支炎を有する79歳の男子が, Haemophilus influenzaeによる感染増悪を繰り返していた。当初の分離菌はディスク感受性でofloxacinに感受性の報告を受けており, ニュー・キノロン系薬の治療で小康を得ていたが, 今回, 経口セフェム系薬での治療は奏功せず, 菌も存続した。本症例はAM-1155とlevofloxacinによる二重盲検比較試験に組み入れられ治療されたが, これも満足な治療効果は得られず菌の消失も認められなかった。治療中および治療後の分離菌はディスク感受性でofloxacinに耐性を示し, そのMICは2~32μg/mlとニューキノロン薬耐性を示した。