日本化学療法学会雑誌
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市販後調査によるrokitamycin dry syrup 200の安全性, 有効性の検討
季節変動要因と安全性・有効性の関係
砂川 慶介岩井 直一豊永 義清加藤 達夫秋田 博伸黒田 龍彦村松 義明山口 清純杉山 博敏
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1997 年 45 巻 8 号 p. 683-697

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抄録

コンプライアンスの向上を目指して剤型追加の承認を得たrokitamycin (RKM) ドライシロップ200の使用成績調査を実施し, 使用実態下での安全性・有効性に関し呼吸器感染症を中心に検討を行った。副作用については8, 991例中93例 (1.03%) に発現し, 季節的な変動はみられず, 承認時までの調査成績と有意差はみられなかった。副作用の内容は下痢等の消化器症状がもっとも多く, 重篤な副作用は見られなかった。相互作用の検討では, テオブイリンとその他の薬剤との併用例との間に有意差はなかった。有効性は8, 821例で検討し, 改善率は82.3%であり開発治験時の87.0%と大きな差は見られなかった。細菌学的検討は十分とは言えず, 使用に伴う耐性菌の出現に関する検討は不十分であったが, 臨床使用での有効率からは耐性菌の増加の懸念はないものと考えられた。以上の成績より, RKMは現在においても安全性が高く, かつ有用な薬剤であることが確認された。

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