1998 年 46 巻 2 号 p. 87-89
33例の切除不能非小細胞肺癌患者に, 抗癌治療終了4週後に14員環マクロライド系抗菌薬clarithromycin (CAM) を経口投与をした。CAM投与3か月後には悪液質誘導サイトカインの血清中interleukin 6 (IL-6) が低下し, ヘモグロビン, コリンエステラーゼ, 体重が有意に増加した。そしてCAM投与前後のIL-6の変動 (ΔIL-6) は体重の変動 (ΔBW), 生存期間と有意な負の相関を有し, ΔIL-6はCAM投与非小細胞肺癌患者の予後を推察するうえでの重要な要因となりうることが示唆された。