1999 年 47 巻 6 号 p. 345-348
切除不能非小細胞肺癌患者15例を対象に14員環マクロライド系抗菌薬clarithromycin (CAM) を400mg/日投与し, サイトカインmRNAの変動を検討した。投与後にIL-12, IFN-γm RNAは有意に増強し, IL-10は抑制される傾向であった。CAMはBiological response modifier (BRM) 作用を有し, 非小細胞肺癌患者をTh1優位な状態へ誘導していることが示唆された。しかし一部の症例ではCAM投与でサイトカインm RNAの変動はみられず, それらは病期がIV期の症例が多く, CAMのBRM作用は宿主状態に影響されることも示唆された。