日本化学療法学会雑誌
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新キノロン薬, gatifloxacinのGABA受容体結合に及ぼす影響と痙攣誘発作用
堀 誠治嶋田 甚五郎
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1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 93-98

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抄録

キノロン薬が潜在的に痙攣誘発作用を有する可能性はよく知られている。我々は, 新しいキノロン薬, gatifloxacin (GFLX) の痙攣誘発作用とγ-aminobutyrate (GABA) 受容体結合に及ぼす影響を検討した。GFLXの脳室内投与により, マウスに投与量依存的に痙攣が誘発された。その痙攣誘発作用はnorfloxacinとfleroxacinの中間であった。また, GFLXは, 高濃度でGABA受容体結合を阻害した。Biphenylacetate, flurbiprofenの共存により, そのGABA受容体結合阻害作用は中等度増強された。以上の成績より, GFLXは, その脳内濃度が上昇した際にはGABA受容体結合を阻害することにより痙攣を誘発する可能性のあることが示唆された。その痙攣誘発作用は, norfloxacinとfleroxacinの中間に位置する可能性が示された。

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