日本化学療法学会雑誌
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Rifempicin服用患者におけるHelicobacter pyloriの保菌状況
藤村 茂川村 武麻生 昇高橋 洋渡辺 彰
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キーワード: 13C-尿素呼気試験, 除菌
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2000 年 48 巻 11 号 p. 839-842

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抄録

Helicobacter pylori除菌療法として, 本邦ではclarithromycin, amoxicillinとprotonpumpinhibitor の3剤併用療法が検討されているが, これら薬剤の耐性菌が報告され問題になりつつある。われわれは, 臨床分離H.pylori25株を用いて各種抗生物質の薬剤感受性測定を行い, あわせて感受性薬剤の耐性獲得試験を実施した。この基礎的検討からrifampicin (RFP) がH.pyloriに感受性を示し, かつ耐性獲得を示しにくいことを確認した。これらの成績をもとに, 結核および非定型抗酸菌症治療のためRFPを服用している患者40名を対象にH. pylori血清IgG抗体価測定と [13C] urea breath testを実施した。血清抗体価からみたRFP服用患者のH.pylori保菌率は65%であると共に, RFP服用によるH.pyloriの菌陰性化率は23.1%であった。現在, 3剤併用療法のうちの2剤として検討されているものの, 耐性化が懸念されているdarithmmycinとamoxicillinの代替薬剤としてのRFPの有効性が示唆された。

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