日本化学療法学会雑誌
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Haemophilus influenzaeによる気管支肺炎モデルにおけるカルバペネム系薬の治療効果
宮崎 修一藤川 利彦山口 惠三
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2001 年 49 巻 3 号 p. 157-161

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抄録

最近分離されたアンピシリン感性, β-ラクタマーゼ産生およびβ-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性 (BLNAR) Haemophilus influenzaeに対するmeropenem (MEPM) と比較抗菌薬であるampicillin (ABPC), cefotaxime (CTX), panipenem, imipenem (IPM), biapenem (BIPM) の抗菌力を調べた結果, 特にBLNAR菌においてIPM耐性菌 (MIC:≧8μg/mL) が50%であった。また, BLNAR菌に対するMEPMとCTXの抗菌活性 (MIC90) はアンピシリン感性菌に対する抗菌活性のそれぞれ1/4と1/64であった。アンピシリン感性およびBLNAR H.influenzaeによる気管支肺炎マウスに, meropenem/cilastatin (MEPM/CS) および比較抗菌薬を1日2回3日間20mg/kg (ABPC, CTXでは40mg/kg) を連続投与し治療効果を比較評価した。アンピシリン感性菌を用いた場合, CTX投与群が有意差 (p<0.05) をもってもっとも優れた治療効果を示し, 次いでBIPM, ABPC, MEPM/CS投与群の順であった。一方, BLNAR菌を感染した群では, MEPM/CS, imipenem/cilastatin (IPM/CS) およびCTX投与群のみ無治療群に比べ有意差 (p<0.05) をもって感染組織の生菌数が減少していた。

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