日本化学療法学会雑誌
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Cefdinirの市販後調査成績
濱本 季子宇都宮 治堀田 久範横田 好子樋口 貞夫
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2001 年 49 巻 8 号 p. 500-514

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抄録

1991年から1997年の6年間にわたりcefdinir (CFDN, セブゾン® カプセル) の市販後調査を実施し, 1997年に再審査申請を行った。その結果CFDNの安全性, 有効性が再確認され, 1999年に再審査結果として公表された。市販後調査にご協力頂いた全国の医療機関2, 448施設から11, 352例の調査票が収集され, 安全性解析対象症例は11, 082例, 有効性解析対象症例は9, 449例で, その概要は以下のとおりである。
1. 副作用発現率 (臨床検査値異常を含む) は1.12%(124/11, 082) で, 承認時までの発現率8.74%(230/2, 633) に比べて低かった。副作用の種類別でみた場合, AST (GOT) 上昇・ALT (GPT) 上昇などの肝臓・胆管系障害 (0.51%), 下痢などの消化管障害 (0.39%) が多く, 次いで発疹などの皮膚・皮膚付属器障害 (0.12%), Al-P上昇の代謝・栄養障害 (0.10%) であった。
2. 有効性解析対象症例9, 449例の適応疾患別の有効率は82.5-100.0%で平均89.8%であった。また, 菌消失率はほとんどの菌種に対して90%以上であり, 有効率および菌消失率とも承認前とほぼ同等の成績であることが確認された。

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