2002 年 50 巻 3 号 p. 190-192
Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA) 骨髄炎を発症し腎機能障害を有する59歳の女性に対し, TDMを実施しながらteicoplanin (TEIC) の投与を行い軽快した。症例は当初vancomycin (VCM) の全身ならびに局所投与を受けたが一時的に軽快するも再発し, 軽度の腎機能障害を併発した。骨移行性の高さと腎機能への影響が少ないことからTEICを選択し, TDMにより投与量と間隔を設定した。TEICは腎機能を低下させることなく長期投与にも耐えうる薬剤であり, TDMにより安全かつ有効に投与できる。したがってMRSA骨髄炎において選択しうる薬剤と考える。