日本化学療法学会雑誌
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Haemophilus influenzaeに対するlevofloxacinおよびcefeapeneの殺菌作用
田中 眞由美小野寺 清美西野 武志
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キーワード: 殺菌作用, PBP 3
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2002 年 50 巻 6 号 p. 319-322

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抄録

1998年に臨床より分離されたHaemophilus influenzaeのなかでアンピシリン感受性株である037077株およびβ-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性株 (β-lactamase-negative ampicillinresistant H. influenzae; BLNAR) である033432株に対するlevofloxacinおよびcefeapeneの殺菌作用を検討した。037077株に対しては, 両薬剤ともに殺菌作用を示したが, levofloxacinの方がcefcapeneよりも強い殺菌作用を示した。033432株に対しては, levofloxacin 1 MICにおいて殺菌作用が認められたが, cefeapene 1 MICおよび4MIC作用時にはまったく殺菌作用が見られなかった。両株において, 薬剤作用時の形態変化を観察したところ, 037077株にlevofloxacinを作用した時には, 大きな形態学的変化は見られなかったが, cefcapene作用時には菌体の伸長化が観察された。033432株では薬剤非作用時においても伸長化した菌体が観察された。033432株の菌体の伸長化には隔壁形成にかかわるPBP 3の変異が示唆されたため, PBP 3の塩基配列を解析したところ, セフェム系薬剤耐性変異が認められ, cefcapeneが殺菌作用を示さないことを裏付けた。

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