日本化学療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-5886
Print ISSN : 1340-7007
ISSN-L : 1340-7007
Micafunginの高齢者における薬物動態
東 純一中原 邦夫加賀山 彰藤原 誠一河村 章生向井 知人
著者情報
キーワード: FK463, 高齢者, 薬物動態
ジャーナル フリー

2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 148-154

詳細
抄録

高齢者男子 (66~78歳) および非高齢者男子 (20~24歳) 各10名に, micafungin (MCFG) 50mgを単回静脈内投与し, 高齢者における薬物動態の変化の有無を検討した. MCFGを静脈内に1時間かけて定速持続注入したときの血漿中未変化体濃度は, 高齢者, 非高齢者ともに, 投与終了後2相性に消失した. 高齢者および非高齢者における未変化体の最高血漿中濃度 (Cmax) はそれぞれ4.97±0.60および4.95±0.56μg/mL, 消失半減期 (t1/2) は14.9±1.0および15.2±0.9h, 定常状態の分布容積 (Vdss) は0.239±0.027および0.228±0.016L/kg, 全身クリアランス (CLt) は12.0±1.7および11.1±1.2mL/h/kgであった (本文における同様な数値表現はすべて平均値± 標準偏差を示す). また, 高齢者および非高齢者の血漿中蛋白結合率はそれぞれ99.85±0.01および99.85±0.02%であった. 薬物動態パラメータおよび血漿中蛋白結合率において, 高齢者と非高齢者との間で統計的有意差が認められなかったことから, 高齢者における薬物動態学的変化はないと考えられた.

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top