日本化学療法学会雑誌
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マウス, ラットおよびイヌにおけるmicafungin単回静脈内投与後の体内動態, in vitro血清蛋白結合および血球移行性
山戸 康弘金子 勇人橋本 知子片島 正貴石橋 光治河村 章生寺川 雅人加賀山 彰
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2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 74-79

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抄録

Micafungin (MCFG) を雄性マウス, 雌雄ラット, および雄性イヌに静脈内急速投与または1時間かけて静脈内持続投与したときの血漿中未変化体濃度を測定し, MCFGの体内動態を検討した。MCFGを急速投与すると, いずれの動物種においても血漿中濃度は2相性で減少した。本薬を0.32, 1および3.2mg/kgで急速投与したときの総クリアランスはマウス, ラットおよびイヌでそれぞれ0.92~1.01, 1.04~1.50および0.59~0.78m五/min/kg, 定常状態の分布容積はそれぞれ0.38~0.49, 0.42~0.56および0.23~0.25L/kg, 消失相の半減期はそれぞれ5.34~5.71, 3.96~5.05および4.24-5.43時間であり, 0.32~3.2mg/kgの投与量範囲で体内動態はほぼ線形であった。ラットおよびイヌにMCFG1mg/kgを急速あるいは持続投与したが, いずれの動物においても体内動態に対する投与方法の違いによる影響はみられなかった。また, 雌雄ラットに本薬1mg/kgを急速投与したときの体内動態に性差はみられなかった。マウス, ラット, イヌおよびヒトのin vitro血清蛋白結合率は99%以上と高かった。

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