日本化学療法学会雑誌
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最近3年間に大学病院小児科で分離した緑膿菌の基礎的・臨床的検討
織田 慶子池永 昌昭Kenji Masunaga大津 寧津村 直幹
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2004 年 52 巻 2 号 p. 82-85

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抄録

1997年6月から2000年7月までに久留米大学小児科で分離した緑膿菌114株の薬剤感受性と血清型, カルバペネム耐性遺伝子IMP1を検討した。検討した抗菌薬のうちもっとも抗菌力が良好であったのはmeropenemであった。セフェム系薬の耐性化は著しく, もっとも良好な抗菌力を示したcefepimeでさえMIC90は64μg/mLであった。それに比しアミノ配糖体に対しては比較的感受性菌がみられた。血清型は呼吸器由来株でA型が23株, D型が12株, 他の分離部位では特に有意な傾向はみられなかった。114株中IMP1は17株陽性で, そのうち3株は血液由来であった。血液由来株は全部で8株で, 4例より分離され, 同一患者に異なる菌による再感染がみられた。幸いにもこの時期には多剤耐性菌はみられなかった。

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