2004 年 52 巻 3 号 p. 169-175
ヌードマウス皮下に継代移植されたヒト大腸癌株Exp-388を用い, 5-fluorouracil (5-FU) の投与スケジュールによる抗腫瘍効果を検討した。治療によるF-RNA (腫瘍組織内RNAに取り込まれた5-FU) およびTS (thymidylate synthage) の変化を検討した。腫瘍細胞浮遊液を用い, CD-DST (collagengel droplet embedded culture drug sensitivity test) を行い, 5-FUの抗腫瘍効果の時間および濃度依存性を検討した。5-FU間歇投与は連日投与に比べ, 有意に高い抗腫瘍効果を示した。5-FU間歇投与では連日投与に比べF-RNAが有意に高く持続性を示し, TSに関しても長時間にわたる抑制を見た。CD-DSTの結果, 5-FUの抗腫瘍効果は接触時間にも薬剤濃度にも同程度に依存しており, 5-FUはExp-388に対しtype I bの薬剤として作用することが判明した。