日本化学療法学会雑誌
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Cefcapene pivoxil小児用細粒の市販後調査成績
石川 陽子愼 晴通大瀧 明岩倉 哲嶋田 甚五郎
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2004 年 52 巻 9 号 p. 508-520

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抄録

経口セフェム系抗菌薬であるcefcapene pivoxil (CFPN-PI, フロモックス(R)小児用細粒100mg) は, 1997年4月に製造承認を取得後, 1999年4月までの2年間に, 新GPMSP (Good Post Marketing Surveillance Practice) に則り, 使用実態下での使用成績調査を実施し, その後2003年7月に再審査申請を行った。以下, 小児用細粒における使用成績調査結果について報告する。
本調査では, 医療機関566施設から3,073例の調査票を収集し, 安全性評価対象症例3,047例, 臨床効果評価対象症例2,979例, 細菌学的効果評価対象症例326例について検討した。結果の概要は以下のとおりである。
(1) 副作用発現率 (臨床検査値異常を含む) は4.30%(131例/3, 047例) であり, 承認時までの6.63%(37例/558例) に比較して低かった。副作用のうち最も多かったのは下痢であり, その発現率は3.74%(114件/3,047例) であった。下痢は年齢が低いほど発現率が高くなる傾向が認められた。
(2) 疾患群別の有効率は91.2-98.3%であり, いずれも90%以上の高い有効率を示し, 承認時までの成績とほぼ同等の成績であった。
(3) 適応菌種別の菌消失率では, 多くの菌種で90%以上を示し, おおむね承認時の成績と同等であった。
(4) 服用性は「のみやすい」または「普通」が94.0%を占め, 良好な成績であった。

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