日本化学療法学会雑誌
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Pazufloxacinが奏効したレジオネラ肺炎の1症例
板橋 繁
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2005 年 53 巻 11 号 p. 696-700

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抄録

レジオネラ肺炎は進行が急速なため, 早期に適切な抗菌薬の選択が必要である。今回, レジオネラ肺炎患者に対して, 注射用ニューキノロン系薬のメシル酸バズフロキサシン (PZFX) を1回500mg, 1日2回, 7日間単独投与して奏効した例を経験した。喀痰培養でLegionella pneumophila group 1が検出され, PZFXのMICは0.015μg/mLと良好であった。レジオネラ肺炎は時に重症化するため, その第一選択薬は注射薬であり, わが国においてレジオネラ菌への適応を取得している抗菌薬は, 注射薬ではPZFXとミノサイクリンのみである。PZFXはレジオネラ属に対する抗菌力も良好で, 喀疲や肺組織への移行も優れているため, レジオネラ肺炎の治療に有用である。

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