日本化学療法学会雑誌
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Cefdinirのヒト血清および顎骨内嚢胞への移行
小俣 裕昭池田 眞紀子秋元 芳明藤井 彰
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2005 年 53 巻 8 号 p. 488-490

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抄録

顎骨内嚢胞を摘出した患者を対象とし, 術前にcefdinir (CFDN) 200mgを経口投与し, 血清, 顎骨内嚢胞嚢胞壁, および嚢胞内容液中のCFDN濃度をペーパーディスク法で測定し, 以下の結果を得た。
1) 血清中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, L94μg/mLであった。
2) 嚢胞壁中CFDN濃度のピーク蒔問はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, 0.69μg/gであった。またピーク時間における嚢胞壁/血清は, 0.37であった。
3) 嚢胞内容液中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, 0.22μg/mLであった。またピーク時間における嚢胞内容液/血清および嚢胞内容液/嚢胞壁は, 0.12および0.33であった。
以上の結果より嚢胞壁および嚢胞内容液中の平均ピークCFDN濃度は, 歯性感染症より分離されたoral streptococciのMIC80値を超えており, CFDNは口腔外科臨床上有用な抗菌薬であると推察された。

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