日本化学療法学会雑誌
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院内肺炎に対するdoripenemの有効性および安全性評価
斎藤 厚他
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2005 年 53 巻 Supplement1 号 p. 205-215

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抄録

新規の注射用カルバペネム系抗菌薬であるdoripenemの院内肺炎に対する治療効果を確認するため, 44歳から95歳までの18例の症例において, 探索的に有効性と安全性の検討を行った。
有効性評価対象となった15例における用法・用量は, 1回500mgの1日2回投与例が10例, 1日3回投与例が3例, 1回1,000mgの1日2回投与例が1例, また, 1回500mgの1日2回投与で治療を開始し, 症状の改善に伴い高齢のため1回250mgに減量された症例が1例であった。これらの症例に対する臨床効果は, 1例を除き全例有効であり, 各症例において治療開始時に期待したとおりの臨床効果を得ることができた。
また, 本薬剤による副作用 (症状) は, 1例において偽膜性大腸炎が認められたのみであり, 副作用 (臨床検査値) は5例において認められ, 肝機能検査値における異常変動が主なものであった。
以上の検討より, 本薬剤は, 院内肺炎の治療薬として有用であることが示唆された。

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