日本化学療法学会雑誌
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Garenoxacinのモルモットにおける光毒性試験
鬼頭 暢子清岡 昌史三善 隆広藤堂 洋三
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2007 年 55 巻 Supplement1 号 p. 75-77

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抄録

Garenoxacin mesilate hydrate (GRNX) の光毒性を調べるため, ciprofloxacin (CPFX) およびlevofloxacin (LVFX) を比較対照薬としてモルモットを用いた光毒性試験を実施した。
GRNX, CPFXおよびLVFXについて, それぞれ活性本体として100mg/kgを単回静脈内投与し, 投与10分後から約30分間長波長紫外線 (UVA) を約10J/cm2照射して, 照射24および48時間後の皮膚反応を肉眼的に観察した。対照群として, 生理食塩液を同様に投与した群も設けた。
その結果, GRNX群では, 24および48時間後ともに皮膚に異常はみられなかった。CPFX群では, 24および48時間後に, 全例で中等度の紅斑がみられた。LVFX群では, 24時間後に1/6例で軽度の紅斑がみられたが, 48時間後には消失した。
また, UVA照射時間帯 (投与後10~40分) におけるGRNXの血漿中濃度は, LVFXとほぼ同等であり, CPFXより高かった。
以上より, GRNXの光毒性は, CPFXおよびLVFXより弱いと考えられた。

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