73 巻 (2002) 1 号 p. 87-94
ブタの体温調節における日リズムの特徴について, ブタの姿勢と関連した行動量と熱放散面積および体温との関係から調査・検討を行った. 実験では, 体重7~18kgの子豚を用いて設定環境温度 (Te) 18, 25, 32および38℃の下で, 行動量 (ACT), 腟温 (Tv) および横臥と伏臥時における平均体表温 (mTs) と露出体表面積 (As) を測定した.
1. ACT値のレンジは, 横臥0~80, 伏臥0~260, 起立時0~325counts/minであり, その最頻値は, 横臥では0counts/min, 伏臥50counts/min, 起立時260counts/minであったことから, 従来よりなされて来たブタにおける姿勢観察や行動記録が, 動きの量 (行動量) と深く関わることを示し, 観察された行動時間などからエネルギー消費量等を推定する場合に有効であることを裏づけている.
2. Teの上昇にともないTv値が上昇し, この時ACT値は減少していた. 逆に, Teが低い時でのACT値は増加していた. また, 12 : 00~18 : 00でのACT値とTv値は0:00~6:00の場合より高く, Tv値が低下へ向かう時には, Tvレベルの低下時と同様にACTの増加が誘導された. これは, ACTが体温の日リズムの形成に関係していないことを明白に示すものであった.
3. mTsとAsの値についてはブタの休息姿勢により変化し (横臥>伏臥), また, 0 : 00~6 : 00での値は12 : 00~18 : 00の値より高い, あるいは大きかった. これらの顕熱放散の促進反応は, 0 : 00~6 : 00における深部体温の低下にともなう熱放散量の減少を補完し, 体熱収支を維持するための反応と推察された.