日本畜産学会報
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一般論文
牧草サイレージ主体飼養における泌乳牛の糞尿量および窒素排泄量
扇 勉峰崎 康裕西村 和行糟谷 広高藤田 眞美子原 悟志
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2003 年 74 巻 4 号 p. 525-530

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抄録

根釧農業試験場で実施した初産牛および2産以上のウシの窒素出納試験データを用いて,牧草サイレージ主体飼養における乳牛の糞尿量および窒素排泄量を示すとともに,2産以上のウシのデータを用いて,飼料摂取量との関連を検討した.供試牛は初産牛が128頭,2産以上のウシが131頭であり,平均日乳量は各々23.1,31.5kg,体重は各々545,660kgであった.糞量は初産牛が35.8kg/日,2産以上のウシが51.4kg/日,尿量は各々13.8,13.0kg/日,合計量は各々49.6,64.3kg/日であった.糞窒素量は初産牛が146g/日,2産以上のウシが179g/日,尿窒素量は各々78,110g/日,合計量は各々225,289g/日であった.摂取窒素量に対する糞尿窒素量の割合は,初産牛が55.0%,2産以上のウシが55.9%であった.糞量はNDF摂取量と正の相関(r=0.58),糞窒素量はCP摂取量と正の相関(r=0.77),尿量および尿窒素量はTDN/CP比と負の相関(各々r=-0.58,-0.65)がみられた(いずれもP<0.001).また,尿量は尿窒素量と正の相関(r=0.78,P<0.001)がみられ,飼料中のTDN/CP比を適正に保つことにより,尿窒素量の減少ばかりでなく,尿量も減少することが示唆された.

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© 2003 公益社団法人 日本畜産学会
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