日本畜産学会報
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一般論文
子牛のヒトに対する模擬闘争行動の罰訓練による制御
安部 直重高崎 宏寿佐藤 衆介菅原 和夫
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2004 年 75 巻 3 号 p. 417-422

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抄録

離乳後の交雑種雄子牛12頭を用い,馴致処理により発生したヒトに対する模擬闘争行動を罰訓練により制御する試験を実施した.1日5分,延べ120分の馴致処理期間中に全ての個体がヒトに対する模擬闘争行動を行った.その後,電気鞭(直流,9,000V, 480mA)による行動制御を試みた結果,1頭を除くほとんどの個体で16試行中4回以下(χ2検定,P<0.05)となり,ヒトに対する模擬闘争行動の抑制が認められた.罰訓練時の服装とは異なる試験者に対する模擬闘争行動の発生もなく,学習効果は般化したことから罰訓練による問題行動の制御が可能であることが示唆された.馴致処理時と罰実施時の試験者が同じ服装であった場合,学習成立までに7.2±1.8試行要したが,異なる服装では4.0±2.3試行と有意に(P<0.05)早期の学習が成立した.扱い易さの指標としたウシのヒトに対する許容反応評点は罰実施前より罰実施後に有意に(P<0.01)高く,許容的となった.逃避反応距離は罰実施前に0.99±0.48mであったが,実施後では0.37±0.30mと有意に(P<0.01)短縮した.これらのことから,馴致処理によって発生するウシのヒトに対する模擬闘争行動は,逃避反応性を阻害することなく罰訓練により限定的に制御できることが明らかとなった.

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© 2004 公益社団法人 日本畜産学会
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