日本畜産学会報
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一般論文
わが国のホルスタイン種育成雌牛の夏季増体量に及ぼす温暖化の影響
野中 最子山崎 信田鎖 直澄樋口 浩二永西 修寺田 文典栗原 光規
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2010 年 81 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

ホルスタイン種育成雌牛を用いて温度および湿度の上昇と増体量の関係を実験的に明らかにし,月平均気温の変動予測シナリオから,わが国の育成雌牛に対する温暖化の影響について検討した.その結果,(1)気温上昇に伴い育成雌牛の増体量が気温20℃の時よりも5および15%低下する平均気温は,それぞれ26.4および28.8℃(相対湿度60%の場合)と試算された.(2)わが国の育成雌牛の夏季増体量は温暖化の影響を受け,2020,2040,2060年と年代の経過に伴い増体量の低下する地域は拡大することが示された.(3)育成前期雌牛を用いて気温の他に湿度の影響も加味したところ,2060年代において,南九州地域では相対湿度が現在と同じ場合でも増体量が21%低下する一方,北海道中東部地域では相対湿度が5ポイント上昇してもほとんど変化しないと予測された.以上の結果から,今後,温暖化の進行に伴い,わが国各地で育成雌牛の夏季の増体量が低下すること,また,その低下量は地域によって異なり,湿度の変動によっても大きく変わることが示された.

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© 2010 公益社団法人 日本畜産学会
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