2017 年 88 巻 4 号 p. 463-472
筋肉内脂肪含量が塩漬後の黒毛和種牛肉および日本短角種牛肉のNaCl含量およびメトミオグロビン割合に及ぼす影響について検討を行った.筋肉サンプル(100gまたは500gの半腱様筋)は6gのNaClで1日間または3日間の塩漬を行った.塩漬後,筋肉サンプルの粗脂肪含量,浸透NaCl含量(浅部および深部),およびメトミオグロビン割合(最表面,浅部表面,および深部表面)の測定を行った.筋肉内脂肪含量と筋肉サンプル100gを1日間または3日間塩漬した後の浸透NaCl含量との間には有意な相関は認められなかった.筋肉サンプル500gを3日間塩漬した後の深部の浸透NaCl含量は筋肉内脂肪含量の増加に伴って有意に減少した.筋肉サンプル100gを1日間塩漬した後の深部表面のメトミオグロビン割合および筋肉サンプル100gを3日間塩漬した後の浅部表面および深部表面のメトミオグロビン割合は筋肉内脂肪含量の増加に伴って有意に減少した.