捕獲方法の異なるシカの食肉特性を比較検討することを目的に,巻き狩りとくくり罠で捕獲され,伊豆市食肉加工センター「イズシカ問屋」にて処理されたニホンジカの背最長筋を用い,水分含量,保水性,テクスチャー,肉色,遊離アミノ酸関連物質の分析をした.捕獲方法間で水分含量,保水性,遊離アミノ酸関連物質量に有意な差はみられなかった.剪断力価については,くくり罠捕獲で有意に低値を示した(P<0.05).色については,生肉のa*値がくくり罠で巻き狩りよりも有意に高値であり(P<0.05),加熱肉では差がみられなかった.本研究より,シカは捕獲方法で食肉特性が異なることが明らかとなった.