日本畜産学会報
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一般論文(原著)
捕獲方法の異なるニホンジカ(Cervus nippon)における食肉特性の比較
藤原 朋宏渡瀬 隆也松井 繁幸相原 和真佐野 文美市川 陽子
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2018 年 89 巻 2 号 p. 219-226

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抄録

捕獲方法の異なるシカの食肉特性を比較検討することを目的に,巻き狩りとくくり罠で捕獲され,伊豆市食肉加工センター「イズシカ問屋」にて処理されたニホンジカの背最長筋を用い,水分含量,保水性,テクスチャー,肉色,遊離アミノ酸関連物質の分析をした.捕獲方法間で水分含量,保水性,遊離アミノ酸関連物質量に有意な差はみられなかった.剪断力価については,くくり罠捕獲で有意に低値を示した(P<0.05).色については,生肉のa*値がくくり罠で巻き狩りよりも有意に高値であり(P<0.05),加熱肉では差がみられなかった.本研究より,シカは捕獲方法で食肉特性が異なることが明らかとなった.

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© 2018 公益社団法人 日本畜産学会
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