日本畜産学会報
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一般論文(原著)
乳用雌牛における乳量および泌乳持続性水準と乳中体細胞数との関係
山崎 武志武田 尚人山口 茂樹田鎖 直澄
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2019 年 90 巻 1 号 p. 13-21

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抄録

個体の乳量および泌乳持続性水準の違いが乳中体細胞数(SCC)に与える影響を調査するため,乳量および泌乳持続性の補正表型値または育種価の水準が異なる個体群間のSCCを比較した.ホルスタイン種雌牛における初産次~3産次の牛群検定記録を用いた.遺伝的能力または実際の表現型が異なる場合を調査するため,各産次の305日乳量および泌乳持続性の推定育種価(EBV)またはEBVと残差の和(EBV+R)の高さに基づいて個体を区分し,各区分におけるSCCおよび総体細胞数(SCC×日乳量)の乳期平均および乳期中の変化を比較した.初産次および2産次について,乳量EBVが同程度の場合,泌乳持続性EBVが高い区分ほどSCCおよび総体細胞数の乳期平均が低下し,特に泌乳中後期において低下した.EBV+Rに基づく区分では,全産次において同様の傾向があったことから,泌乳持続性の高い個体はSCCが低いことが確認された.

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© 2019 公益社団法人 日本畜産学会
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