2019 年 90 巻 4 号 p. 307-313
抗酸化活性を示すアントシアニンを含有する紫黒米のヒツジへの給与が,飼料の利用性および酸化ストレスマーカーに及ぼす影響を検討した.給与飼料中のアントシアニンを含まないコメの0,50および100%を紫黒米に置き換える3区を設定し,去勢ヒツジ6頭を用いた3×3ラテン方格法による給与試験を実施した.紫黒米の配合割合が高くなると,乾物の消化率および可消化養分総量は低下したが,成分の消化率は影響を受けなかった.また,すべての給与飼料のデンプンは,99.5%以上が消化された.胃液性状のすべての項目において,各試験区に差は認められなかった.酸化ストレスマーカーの総抗酸化能あるいは酸化ダメージ指標には差がなかったが,抗酸化酵素のスーパーオキシドディスムターゼ活性が紫黒米給与により上昇した.以上のことから,紫黒米はデンプンを中心とした栄養成分と抗酸化物質を同時に供給できる有望な国産飼料であると考えられた.