日本畜産学会報
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鷄卵の加工に關する化學的研究(第2報)
鹽漬鷄卵の製造法に就きて
佐々木 林治郎
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1937 年 10 巻 3-4 号 p. 217-226

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抄録

鷄卵を食鹽水に浸けて加工するための原理を闡明し以て加工の實際につき基礎的資料を得んとし第一に食鹽水に全卵を漬け第2に食鹽にアルカリを併用したる場合と第3に卵黄のみを食鹽水に漬けたる場合につき研究した。
本實驗の結果鷄卵は鹽漬卵として食用に供せられ又アルカリの作用により特殊の風味を有する食品となし之を保存する方法を講ずれば更に有用たる食品となすことを得。又卵黄は鹽漬として食用となし得ることを明かにした。尚ほ食鹽に他の適當なる物質を加へれば其の補助作用と風味の改善により特殊の加工食品となる見込のあることを明かにし且つ支那産鹹蛋及皮蛋の製造原理に論及した。
(附記) 本研究による鹽漬卵の製造法は文部省主催全國農學校實習教員夏期講習會に於て昭和9年7月以來3囘著者自ら講習を行ひ又本研究の大要は昭和11年5月10日日本農學會臨時大會(九州帝大農學部)に於て講演した。本研究の實驗は原澤久夫,末永孝,長谷川明次及清水祐夫諸君の助力に負ふ所多大にして茲に其の勞を謝する。

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