16 巻 (1944) 2-4 号 p. 43-50
(1) 化學的定量法によつて牛乳のVitamin C含有量に及ぼす光線及び微量の鐵並びに銅の影響を試驗した。
(2) 牛乳のVitamin Cに及ぼす太陽光線の破壞作用は散光に於ても直射日光に於ても著しく大であり,殊に直射日光に於てしかりである。
(3) 直射日光による牛乳のVitamin Cの破壞の程度は照射時間に正比例するものではなくして最初に大であり,後次第に小となるものである。
(4) 牛乳のVitamin Cに及ぼす直射日光の破壞作用は殺菌乳に於けるよりも生乳に於て稍より大である。
(5) 人工光線の照射によつても牛乳のVitamin Cは破壞される。
(6) 直射日光による牛乳のVitamin Cの損失は赤色瓶に於て最も少い。
(7) 普通の市乳瓶に充填して配達される市乳はその取扱方法の如何によつてはVitamin C皆無となる恐れある事を指摘し,人工的にアスコルビン酸を加へ,赤色瓶に充填した「ビタミンC牛乳」の出現を希望した。
(8) 微量の銅は牛乳のVitamin Cを著しく破壞する。鐵も有害ではあるが銅に比すれば其程度は極めて小である。