日本畜産学会報
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牛の人工授精に関する研究
とくにアンプールによる精液の保存及び授精試験
桝田 精一高橋 久男永瀬 弘
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21 巻 (1950) 3-4 号 p. 145-148

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抄録

牛精子の保存,輸送,及び注入兼用のAmpulを考案した。Ampulに精液を充し開口部を38°C以下で溶解しするgelatineで封ずる爲めに,Ampul中の精子はAnaerobous medium中にある状態となることにより,その活力にどのような影響があるかを確知する爲め,Semen 1: yolk-citrate solution 3の割合に混じてAmpulと試験管に分納し比較檢討した(14例)。
1 Ampul法は試験管法に比較して,精子の50%生存時間では平均49.71時間(約2日間)延長し,30%生存時間で平均36時間(1.5日間)延長した。最長生存時間においても幾分延長したがその差は有意であるとは認められなかつた。
2 両法による保存中の活力減耗度を精子の生存率,運動力に夫々附点し,百分比で図示した。それによるとAmpul法は採取時と殆んど同様な活力を2日間維持することを示している。
3 授精試験では精子の保存時間24時間以下81%,25~50時間100%,51~75時間75%,90~125時間50%の受胎率を示した。又距離的には千葉市(当場)より北海道広島県に於て85%の受胎率を示している。
4 M. B. R. T.に於て精子数,運動力との相関々係を求めた処いづれも強い関係を得たので精液の資質判定の補助手段として有効なことを認めた。
附言 Ampulによる牛精子の保存法の特徴を挙げると次の様である。
1 精子の授精能力保存時間を延長出来ること。
2 精液の携帶輸送に簡便なこと。
3 注入器の一部を構成していること。
4 精液注入に簡便なこと。
4 使用したAmpulは再び使用しないから授精牝牛間の生殖器の傳染病の感染を防止出来ること。

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